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自分以上の子供を育てるには? 法の奴隷、言葉の奴隷からの脱却

父親は永遠にサポーターで終わるのか? 社会学的視点で子育てについて語る、宮台真司の「オトナ社会学」。連載第1回は『「家出」ができる子に育てよう。』法と言葉の奴隷とは何か。『ウンコのおじさん』の著者であり、首都大学東京の宮台真司教授に話を聞いた。【Part2】

法や言葉の内側が
正しいと思うのはクズ

私は東日本大震災後から3年弱、恋愛系のワークセッションを開きました。損得勘定で動くクソクラスタの連中を改心させられるかとチャレンジしてみましたが、やっぱり駄目でした。自分は間違っているというところまで認識させられても、自分たちは変われません。なぜなら、相手の心を自分に移すということをしたことがないからです。正確にいえば、私のゼミに半年から1年くらい通えば改心できますが、数回のワークショップでは難しい。

その連続のセッションが、今回『ウンコのおじさん』を出版した元になっています。いかに親が自分より立派な子どもを育てられるか。もし同程度かそれ以下しか育てられないのであれば、もうこの社会は終わりです。親がすでに法の奴隷、言葉の奴隷ですから。損得を超えるためには、法の奴隷、言葉の奴隷であることをやめなければいけません。でも、それは単独ではできません。近隣のめぼしい人材を利用して、あるいは利用可能なメディア的なリソースを使う。



私の場合、子どもたちの登校時間に合わせて散歩して、蝋石で地面などにウンコの絵を描き、通学途中の子どもがめちゃくちゃ受ける。今の大人がそうした法外、言外のことを教えてくれる“近所のへんなおじさん”になることを呼びかけるために、この本を出したのです。

親が子を抱え込むとコントロールする、されるの関係になります。コントロールは良くないということを子どもに刷り込もうとすれば、それを何とか伝授しようという微に入り細に入りコントロールしてしまうという逆説的なことが起こります。

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